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脳性麻痺者の動かなかった筈の腕が動いた(!)
から始まった動作法
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重度の痛み&発達障害の改善を援ける
LP式ストレス解放コーチの井上です
今日は、とても悲しいお知らせです。
動作法創始者のお一人、成瀬悟策先生が8月3日にお亡くなりになりました。
日本臨床動作学会のホームページに告知されていたのですが、同じ動作法仲間から聞くまで知りませんでした。
先月お会いした時は、厳しくもしっかりご指導をくださるほどとてもお元気でしたのに・・・。
先生が開発された心理療法としての動作法は、これまで多くのからだとこころを傷めた人々を救ってきました。
どんな風に?
成瀬先生は、催眠を科学的なものとして心理療法に取り入れ、多くの催眠臨床家を育てた方でした。
その催眠法をあるお弟子さんが肢体不自由な脳性まひの青年に施して、動かなかった筈の腕が動いて挙げられるようになったそうです。
その当時の整形外科学では、「脳性マヒ児・者の肢体不自由は脳の病変で死滅した脳細胞に関連するものだから決して動かないもの」とされていたそうです。
なのに、現実に動いた!!
w(‘o’)wオオー!
そこから、「生きるために動きたい」という本人の「動きたい力」が、本来人が持っている動く装置に働きかける援助法が考えられ、催眠無しでも動かせるようにする動作訓練となりました。
そして、脳性麻痺児達への合理的に組織化された動作訓練の1週間宿泊集中キャンプを始められました。
その訓練中に、脳性麻痺児の肩周りが普通よりずっと硬い事に気付かれました。
そこで、先ずは肩周りを弛めた後に、自分で動かせるようにするための訓練を考案されたのです。
そうやって訓練するうちに、子供達の肩周りが楽になり、手腕も動かせるようになったそうです。
そして、お母さん達にも同じ訓練をしたところ、肩こりの症状が解消して楽になり、気分も明るく前向きになって元気が出た、との声が多かったようです。
腰周りは、反ったりねじったり屈がったりして、重力の縦線に合わせられるようなタテの力が入らなかったので、タテ真っ直ぐの体軸を作る訓練をしたところ、しっかり立てるようになったそうです。
肩の時と同様、親御さん達にも同じ訓練をしたところ、殆どの人の腰痛の症状が無くなったのです。
こうやって、適切に動かす動作の訓練をすることで、四十肩、歩行困難、などの様々な症状や緊張の仕方が楽になり、気持ちも明るく、元気で、前向き、積極的になっていく例が増えていきました。
そして、お弟子さん達による様々な分野での研究と実践により、多くの人のからだとこころと行動の不調改善への効果の報告が蓄積していきました。
だから、「からだとこころは一体となって動く(変化)する」という動作とこころとからだの関係が理論付けられたのでしょう。
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そして、動作療法という「動作の仕方を変えることを通して、それと一体的なこころの治療的変化を目指す心理療法」(動作療法の展開ーこころとからだの調和と活かし方:P. 50)が確立していったのです。
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1993年には日本臨床動作学会も設立され、現在681人の会員が在籍しています。
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そして、足,腕,肩,腰,頸,といったからだの部位の痛みから不安,怖れ,怒り,悲しみ,憎しみ等のネガティブな感情による痛み、
発達障害による他者への関心や他者の求めに応答することの困難,学習上の著しい困難,注意持続困難,多動,協調運動の困難、
統合失調症,鬱,パニックなどのようなこころの不調・痛み、
人間関係や仕事、自然災害などからくるストレスによるからだとこころの不調・痛み、
緘黙,脳卒中の後遺症,高齢者の姿勢の歪み,
などなど、数えあげればきりがないほどの不調・症状の改善事例が、学会で発表されてきました。
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私の家族や私自身も、この動作法と出会ったおかげで、慢性的だった肩こりや腰痛、ストレスによる痛みなどを軽減して、楽に生活できるようになりました。
そして、私のカウンセリングセッションも、動作法を組み入れることで、クライアントさん達の満足度を上げることが出来たと思っています。
だから、ここまで動作法を発展させて、後に続く者達への道しるべを作って下さった成瀬先生達に本当に感謝しています。
最後に、先生のご冥福をこころからお祈り致します。
P.S. 上記の文の参考文献は以下の通りです。
動作法に関心のある方は是非お読みになることをお勧めします。
「障害動作法」(成瀬悟策編 学苑者 2002年5月)
「動作療法の展開ーこころとからだの調和と活かし方」(成瀬悟策著 誠信書房版 2014年10月)
「動作療法の治療過程」(成瀬悟策編 金剛出版 2019年6月)
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